空き家の不法侵入は犯罪!空き家を危険から守る方法と法律について

空き家だからといって、管理をおこたらないようにしましょう。
管理をおこたっている状態が長く続いてしまうと、他者から「あの家は誰も使っていないのか」と思われてしまうおそれがあります。そうなると、空き家に不法侵入者が住みついてしまったり、放火されてしまったりといったトラブルが起きてしまうかもしれません。
また、使われていない家はすぐに傷んでしまいます。倒壊したり、庭の木が大きくなりすぎたりすれば、近隣住民から損害賠償を請求されるおそれもあるのです。
昨今、空き家に関するトラブルが増加傾向にあります。相続などで遠方の不動産を引き継ぐことになったけれど、空き家状態にしてしまっている人たちの中には、そういった話を見聞きして不安になっている方も多いことでしょう。そういった方は、ぜひ自分で管理をおこなうか、管理業者に依頼しましょう。
この記事では、空き家を放置していることのトラブルから、不法侵入・住居侵入の違いなどをご紹介いたします。空き家をお持ちの方は、ぜひ適切な管理をおこなってください。
空き家の不法侵入が多発!空き家の放置で起こる5つのトラブル
空き家を放置していると、さまざまなトラブルに襲われる危険性があります。代表的なトラブルは、以下の5つです。
- ・不法侵入者が住み着く
- ・空き巣が入る、家を放火される
- ・倒壊したことによって近隣住民に損害賠償を請求される
- ・空き家を売りたくても売れなくなる
- ・『特定空き家』と判断されてしまう
これらのトラブルについて、ここではひとつずつ詳しくご説明いたします。どれもよいことではありませんので、ぜひご一読していただいたあとは、管理に力を入れてください。
トラブル1.不法侵入者が空き家に住み着く
不法侵入をもくろんでいる人は、空き家だと目星をつけた家を定期的にチェックするといいます。そして、所有者がまったく管理していないと判断すれば、不法侵入をおこなうのです。
もし空き家のライフラインが、まだ使えるままだった場合、不法侵入者に使われてしまうおそれがあります。電気もガスも水道も、契約を打ち切る連絡をした覚えがない場合は、要注意です。
庭木の管理をずっとおこなっていなかったり、雨戸をずっと閉めたままにしていたりすると、管理されていない空き家だと思われてしまいます。空き家をお持ちの方で、庭木の手入れも、定期的に雨戸をあけてもいないという方は、気をつけましょう。
トラブル2.空き巣犯に狙われる・家を放火される
まだ空き家になる前にそこを使っていた人の貴重品などがあると、空き巣によってゴッソリと盗まれてしまうおそれもあります。また、犯罪者の種類によっては、火をつけられてしまう危険性もあるのです。
トラブル3.空き家の倒壊で賠償責任を負う可能性がある
建物は誰かが済んで日ごろから管理していないと、床も壁もどんどん傷んでしまいます。シロアリが住みついて建材を食べてしまい、建物の耐久性が著しく悪くなることも十分に考えられるのです。
耐久性が低下した建物は、正常な状態であれば耐えられたはずの地震や台風で、簡単に倒れてしまうおそれもあります。倒れた建物が近隣の家を損傷させてしまったり、通行人を傷つけてしまったりすれば、損害賠償を請求されることも珍しくありません。
トラブル4.劣化が増すと空き家を売りに出せなくなる
空き家を含め、活用する予定のない不動産は売ってしまったほうがよいです。持ち続けていると、その期間ずっと使わないのに固定資産税などを納めなければならなくなります。活用しない不動産は、『負動産』と呼ばれるように、不利益ばかり生んでしまうのです。
しかし、劣化があまりにひどいと、空き家を売りたくても売れなくなってしまいます。買い手がつかないことが原因です。
トラブル5.『特定空き家』と判断されてしまう
空き家を管理しないで放置していると、各自治体に『特定空き家』と判断されてしまうおそれがあります。特定空き家と判断されてしまう基準は、以下のものです。
- ・ゴミが放置されている、害虫・害獣が湧いているなど衛生上きわめて有害である
- ・建物全体が傾いていたり、屋根が割れていたりと、倒壊の危険がある
- ・不法侵入者が目撃されている、無断で住む人がいるなど、犯罪の温床となる疑いがある
こうした条件を満たしている空き家だと、特定空き家に指定されてしまいます。つまり、近隣住民に強い不安感を与える空き家だったり、地域の景観を著しく損なう空き家だったりすると、選ばれてしまうおそれがあるのです。
特定空き家に認定されてしまうと、さまざまなデメリットがあります。まずは税制の優遇がなくなることです。空き家であっても固定資産税の支払いはしなければなりませんが、多くの場合、多少の優遇処置がされます。しかし、特定空き家になってしまうと、優遇がなくなってしまい、何も活用していないのに高い税金を払うことになるのです。
また、特定空き家に認定されてから、自治体の勧告などがあっても適切な処置をおこなわないでいると、行政代執行をされるおそれがあります。
本来、空き家とはいえ、いち個人の財産であるため、誰も勝手に処分することはできません。しかし、行政代執行ではそれが可能になります。個人の財産であるにも関わらず、自治体によって処分されてしまうのです。
「行政が処分してくれるなら自分でやる手間が省けてラッキーじゃないの?」と思う人もいらっしゃるかもしれませんが、解体にかかった費用はすべて所有者負担になります。空き家の解体は、自治体に相談しておこなえば、補助金がでるケースも多いです。行政代執行まで事が進んでしまうと、補助金の恩恵も受けられないため、損にしかなりません。
特定空き家と判断されたときは、いち早く解除してもらうように対処しましょう。特定空き家に指定されると、自治体からの助言や指導が入ります。そうしたアドバイスに従って対処し、空き家が特定空き家の条件から改善されると、解除してもらえるのです。
空き家の放置は危険!管理して犯罪や劣化から家を守ろう

空き家は放置してはいけません。定期的に適切な管理をおこなって、大切な家を守りましょう。ここでは、空き家の管理方法と、自分では忙しくて手が回らない場合の対策をご紹介いたします。ぜひ参考にしてください。
空き家の管理とは具体的に何をするの?
空き家の管理で、まず初めにおこなわなければならないことは、ライフラインの契約を切ることです。誰も住んでいない家にライフラインをとおしていると、電気・ガス・水道の最低料金を請求されてしまいます。また、ライフラインがまだとおったままで、めったに誰も管理にこないと悪意ある人に知られてしまえば、不法侵入者が住みつく危険性もあります。まずは電気・ガス・水道、ネット回線などの契約は、すべて切ってください。
次にやるべきことは、空き家に残っている大切な物品の回収になります。空き巣に狙われてしまうおそれがあるからです。たとえば貴金属類やタンス預金など、空き巣に置いておいても意味がないものは、早々に回収しましょう。
郵便物を空き家に届かないようにすることも大切です。近くにある郵便局に相談へ行きましょう。また、郵便受け・ポストをガムテープなどで封鎖しておくことも重要です。
初めて空き家を訪れたときにやるべきことは、ひとまずこれらで問題ありません。あとは最低でも1カ月に1度は訪れて、害虫・害獣の駆除や清掃をおこないましょう。外壁や屋根に劣化している部分がないかどうか、雨漏りをおこしている箇所はないかどうかを調べることも重要です。また、伸びた枝葉が近隣住民の迷惑にならないよう、庭木の手入れもおこなう必要があります。もちろん、訪れるたびに、近隣住民には丁寧に挨拶もしましょう。
基本的には、定期的に掃除をおこなっていれば、空き家の状態が一気に劣化することはないといえます。しかし、その掃除といった作業が、とても大変なことなのです。なぜなら、水も電気も、ライフラインを止めているため自由に使えないからです。
水拭きも掃除機の使用もできないような状況は、自宅を清掃するときと比べて、苦労するところが多いです。水拭きをするためにウェットシートやペットボトルの水を買ってきたり、掃除機を使えないぶんホウキやちりとりで時間をかけておこなったりする必要があります。個人での空き家管理は、時間と労力がかかる作業になのです。
頻繁に空き家へ通えない人は管理会社に頼ろう!
空き家の場所が日常生活を送っている地域からだいぶ遠い場合や、仕事が多忙で管理に割ける時間がほとんどない場合は、管理会社を頼るとよいでしょう。
管理会社は個人の代わりに、定期的に清掃をおこなってくれます。また、害虫や害獣が住みついていたり、建物に損傷個所が見つかったりすれば、丁寧に報告してくれます。駆除や修復には別途費用がかかってしまうことが多いですが、特定空き家と判断されてしまう、倒壊によって誰かを傷つけてしまう、そうしたリスクを考えれば高額ではないでしょう。
もし管理会社をお探しの方の中で、どこに依頼すればよいのかわからないという方がいらっしゃいましたら、ぜひ弊社のサービスをご活用ください。弊社に加盟している管理会社のうち、複数社から一括で見積りをとることができます。会社選びにじっくりと向き合うことができないご多忙な方には、とくにオススメです。ぜひご活用ください。
弁護士に不法侵入罪として相談することができるケース

空き家に不法侵入されているとわかった場合、弁護士に相談することによって罪に問えることがあります。ここでは、不法侵入者を罪に問えるケースや、不法侵入罪・住居侵入罪の重さなどについてご紹介いたします。
不法侵入・住居侵入罪のボーダーライン
土地や建物の所有者の意思に反して、土地や建物に侵入しようとした人は、不法侵入(住居侵入罪)の罪に問うことが可能です。ただし、その土地や建物の管理をおこなっていると、軽犯罪法違反といって、罪の重さが軽減する場合があります。そこが誰かの所有物だとわからなかった場合は、そもそも罪に問えないケースもあるようです。
そのため、許可なく侵入した人をしっかりと裁くためにも、管理をおこたらないようにしましょう。
罰金や刑罰の重さ
不法侵入(住宅侵入罪)という罪を犯すと、懲役3年以下または10万円以下の罰金に処されることがあります。軽犯罪法違反の場合は、1日以上30日未満の身柄拘束または1,000円以上10,000円未満の金銭徴収が課されます。
まとめ
空き家を所持している方は、しっかりと管理をおこないましょう。月に一度、空き家を訪れて、清掃や害虫・害獣の駆除などをおこなってください。そうして、人の手が入っている状態にしておかないと、空き家への不法侵入や放火などの犯罪に狙われるおそれがあります。
しかし、空き家が生活圏とは遠く離れた場所にある方や、あまりに多忙で時間を割けないという方は、自力で管理することは難しいでしょう。そういった方は、管理会社に任せることをオススメします。管理会社に依頼すれば、清掃や害虫・害獣の駆除から、庭木の手入れなどもおこなってもらえるからです。
管理会社をお探しの方で、自分で探せる時間がないという方は、ぜひ弊社のサービスをご活用ください。複数社の見積りを一括でおこなうことができます。ご自分に合った管理会社を短い時間で見つけることが可能になるはずです。ぜひ一度ご活用ください。