2017年08月24日
深刻な空き家問題その原因と対策

各種メディアでも取り上げられるようになった空き家問題。その原因は増え続けていることと、適切に管理されていないことです。この問題は、空き家の近隣で生活されている人だけではなく、空き家を所有している方にも大きな問題となっています。
このコラムでは、空き家が抱える問題とその対策ついてまとめてあります。空き家の相続や管理でお悩みの方への参考になる情報もありますので、ぜひ参考にしてください。
増え続ける空き家が問題になっています
総務省統計局では、5年ごとに住宅・土地の統計調査を実施おり、空き家の数は上昇していると発表しています。平成25年の調べでは820万戸もの空き家があるそうです。空き家が増え続ける背景として、高齢者が施設への入居や同居をはじめることで、元々住んでいた家に誰も住まなくなることが一般的な原因だと言われています。
また、核家族化の影響で、相続した家が使われないことも関係しているようで、空き家は今後も増加していると考えられています。
空き家は、「二次住宅」「賃貸用住宅」「売却用住宅」「その他」の4つに分類されていますが、「その他」の空き家の増加が大きな問題となっています。
その他の空き家が増え続けるとどんなトラブルが起きるのでしょうか?
適切に管理されていない空き家の影響
その他空き家の増加が問題とされている原因は、所有者による管理が適切に行われていないことです。管理が行き届いていない空き家は下記のような問題を引き起こすきっかけとなります。■近隣への悪影響を与える
古くなって傷ついた空き家は耐久力が低下し、崩れ落ちた屋根や外壁による事故に発展する恐れもあります。地震などの災害が起きれば倒壊する恐れもあります。他にも、害獣や害虫が発生し被害が近隣にまで及ぶケースもあるそうです。さらに、庭の雑草や庭木が敷地を飛び出すことで、通行の妨げになることもあり、クレームや事故の原因になることもあります。
■治安への悪影響
特に問題となっているのは空き家への放火です。メディアでも取り上げられることが多い問題で、空き家の多い地域は放火犯のターゲットになりやすいと言われています。他にも、犯罪者の隠れ場所になったり、目隠しが多いことから空き家の中で犯罪が行われたりするケースもあります。
このような現状から、近くに空き家があるだけで不安に思う方も少なくないようです。
空き家の所有者が抱える問題
空き家の増加は近隣に住んでいる人にとって大きな問題となっていますが、空き家を所有する人にとっても大きな問題となっているようです。その他の空き家の所有者になる経緯で一番多いのは、親からの相続ですが、高齢者が施設へ移ったあとも、最後は自分の家で迎えるため、思い出の詰まった家を手放せない、などの理由で所有しているケースも少なくありません。このようなケースではどんな問題が起きるのでしょうか?
■家を処分できない
空き家になった場合、売却という方法も取れますが、思い出が詰まっているため中々手放せない、遺品整理がいつまでも進まないという問題が起こりやすいです。また、売却に罪悪感が生まれ、兄弟同士でもめて話が進まないケースも珍しくありません。
■空き家が遠隔地にある
相続した空き家が遠隔地にある場合、掃除や空気の入れ替えといったメンテナンスができないことも多いです。それにより建物の劣化が進み、危険な空き家となるケースが多いです。■税金の問題
空き家を解体して更地にした場合、固定資産税の特例が受けられなくなります。それにより固定資産税が高くなるため簡単に解体することができないのです。空き家問題を解決するための対策

このように空き家の管理不足が大きな問題となっています。問題を解決するためには、「管理する」「活用する」「解体する」といった方法が一般的です。しかし、方法がわからない、自分では管理できないという方も少なくありません。そこで、空き家をうまく管理する方法について紹介したいと思います。
■空き家管理サービスの利用
空き家管理最大の難点は、時間と手間です。遠隔地に空き家がある場合、頻繁に通うのは難しく、荒れた庭の手入れや溜まったゴミやほこりの掃除、空気の入れ替え、通水など様々な作業が必要です。また、近くに住んでいても、体力的に管理が難しいと悩んでいることも多いようです。このような問題を解決するのが空き家管理サービスです。定期的な空き家の管理から、郵便物の確認といったサービスまで受けられます。
当然費用は必要ですが、特定空家等に指定されると、空き家の維持費も高くなり、解体を命令されることもありますので、きちんと管理しておいて損はないでしょう。
■マッチングサービスの利用
現在では空き家のマッチングサービスを展開している自治体が増えてきました。「空き家バンク」と呼ばれるサービスで、空き家の所有者と空き家を求めている人をつなぐサービスとなっています。運営は、自治体または自治体が委託している会社になりますので安心して任せやすいです。
空き家バンクに登録した建物は、新たな移住先、福祉施設、観光用施設など様々な用途で活用されます。
■補助金を利用して解体する
空き家を解体して更地にしておけば、面倒な管理も必要ありませんが、解体費用が必要になり、固定資産税の特例も消えますので費用の負担は大きくなります。しかし、自治体によっては、空き家対策への取り組みとして補助金を出している自治体もあります。まずは補助金の有無を確認してから解体を検討する方法もあります。
まとめ
現在増加をたどっている空き家の中でも、「その他」に分類される空き家が増えることが問題とされています。その原因は、管理不足による悪影響です。こういった問題を解決するには、活用・解体・管理といった対策が必要になります。どのような対策をとるにしても、空き家である限りは管理が必要になります。個人での管理が難しい場合は、空き家管理サービスなどを利用して適切に管理していくことが大切です。
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